事務所コラム H20.4.15
横文字の、経営管理手法におどらされるな
マスコミの、横文字セールス作戦に乗せられるな
過去の一時期、「TQC」(トータル・クォリティ・コントロール=全社的な品質管理)という経営管理手法が、全国を席巻した、といっても過言ではないくらい、多くの企業に取り入れられた。
当時、ある社長から聞いた話で、「融資の条件が、TQCをやること。銀行の発想は、一体どうなっているんでしょうか」と、いう話もあった。
ここ数年間も、CS(カスタマー・サティスファクション=顧客満足のための組織活動)というのも流行った。
しかし結果は、やってもやらなくても成果に、特別なものは何もなかったものだ。
マスコミが欧米生まれの管理手法を輸入し、新鋭の管理手法のごとく喧伝し売り込みをする。横文字大好き人間が、「これからはSISの構築が情報管理の命運を左右し・・」とか、「一方国際的には、ISOを取得していない現場には・・」などと書いた活字を見せつける。
すると中には、バスに乗り遅れる不安から、横文字の経営管理手法に巻き込まれる経営幹部が少なくないようだ。それらの手法の多くは単なる着せ替えなのに。
CSなどと言わなくても、「お客様を大切にしよう」でいいではないか。
TQCにのめり込み、経営破綻した米穀問屋など見ると、ナンセンス極まりない。
会社の経営の本質は足もとを固め、お客様を大事にすることが全てのように思えるのだが。
過去に踊った横文字の一部を羅列すると、アカウンタビリティ、ガバナンス、コンプライアンス、スキル、セーフガード、セットバック、デフォルメ、ハザードマップ、ポートフォリオ、ボトルネック、リテラシー、モビリティ・・などがある。使えば格好はいいようだ。
組織の悪事が露見すると社長が、「今後は、コンプライアンスを重視し・・」などと語る。
「犯罪を犯しました。今後は法令を守り、違法なことはしません」と言えばいいのに、横文字を使って、世間への謝罪にも格好つけている間は、悪事を繰り返すような気がしてならない。
なお国立国語研究所は、アカウンタビリティは「説明責任」に、ガバナンスは「統治」に、コンプライアンスは「法令遵守」に、などと言い換えを提言しています。
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事務所コラム H20.3.13
こんな社員がいる会社は伸びます、栄えます@
サービス精神旺盛な呈茶で、会社を伸ばす社員
親しい来客が社長に言った。「わたしは猫舌で、熱い茶が苦手ですが、おタクの女性がいれてくれる茶はいつも、ややぬるめで、じつに美味しい。わたしの好みを覚えていてくれているんでしょうか・・」
じつはそうなのだ。よく見える来客の場合、苦いような茶を好む客、熱めの茶を好む客、必ず水を別に所望する客、ほんのひと口すするだけの客。客が語るその女性は、その客がいうとおり客それぞれの好みを、ちゃんと覚えていて、来客それぞれに合う呈茶を心がけているのである。
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事務所コラム H20.2.14
同業者とばかりつき合っているようじゃ、ダメ
「同業者とつき合っているようじゃ、仕事はうまくいかない。同業者は敵なんだから」
しごく当り前のことだ。しかし、この当り前のことに、まったく気づかない人は多い。
だから、すごい発想で強い経営を伸ばす経営者は、同業以外をよく見ているものだ。
たとえば、かつてトヨタは、業界とはまったく関係のない流通業界を見ていた。つき合うというより以上に、よくよく畑違いの業界を、つぶさに観察していた。
そして気付いた。
1.客は欲しい時に来店する。
2.欲しい物を買っていく。
3.欲しい量だけ買っていく。
その上で、「工程を、お客さまと思えばどうなるか?」と考えた。
ところが当社では、
1.客(工程)が欲しくもない時に、
2.欲しくもない加工品(仕掛品)を、
3.欲しくもない量だけ流している。
だから工程間に、山ほどの中間在庫ができる。
よし、ここにメスを入れれば、在庫コストは減らせる。このように着眼して、トヨタ式のコストダウンを成功させたのである。
あなたは、畑違いの業界や人と、交流がありますか。傍目八目で物事を見ていますか。
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事務所コラム H20.1.17
あいさつで組織の大変革
ある小さな商社がある。商社だから営業部門要因が6割を占める。とはいっても20名ほどだが。営業マンたちは準備が終わった順に、個々に出かけるが、女性社員たちは黙々と仕事をしている。誰がいつ出かけたかも知らない。風のごとく出かけ、風のごとく戻ってくる営業マンたち。どうも組織の一体感が乏しい。営業部門は稼ぎを直接持ち帰る働きバチだ。留守役の女性たちが、「行ってらっしゃい」と声の激励でもしたら、彼らの気持ちやヤル気はどうなのか。
社長に提案した。「朝は、“行ってらっしゃい”と声の見送りをする。夕方帰ってきたら、“お疲れさまでした”と声の出迎え。営業マンたちも、“行ってきます”と元気よく出かけ、“ただいま”といって帰社する」
社長も大賛成。早速実行することにした。実行してもう10年になる。完全定着。
たまたま朝から訪ねてきた来客が、しみじみと社長に語ったそうである。
「おタクの会社は、活気がありますね。“行ってらっしゃい”といって、女性の皆さんが営業の人たちを送り出していらっしゃいますが、いやあ勉強になりました・・」
こんな簡単な組織活性策を、やっている会社はめったにない。「小事こそ大事なり」
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事務所コラム H19.12.13
親社長の下に、子社長6人で会社はイキイキ
A社の会社の全営業所は、去る6月から一斉に会社組織に変わった。東京営業所を皮切りに、福山、大阪、北九州、広島、仙台の6営業所である。新社長はもちろん、いままでの営業所長である。
サラリーマンにとって、課長や部長という肩書きより、社長という肩書きに、感動に近い喜びを感じるものである。実力を別にした形式的な面だけだが、社長という肩書きには、やはり感動するようだ。
A社の場合は、営業所長から社長に昇格したあと、彼らと会ってみると、彼らに前向きな変化を多く見ることができた。単なる精神的な喜びにとどまるものではない変化だ。
北九州の新社長は、「小さな会社の経営学」という本を読み、勉強していた。読書嫌いの男が、まるで別人のようにサマ変わりしていた。広島の新社長は、「参考書を教えて欲しい」という。この男の行動も、過去には考えられなかったことだ。
まだ新会社に移行して短期間だから、業績向上に関して成功とは断定できないが、成功の予兆といえるものは、営業の数字に見ることができる。
全営業所、いや全新会社の売上高が、7月だけという短期間ではあるが、前年同月比で5%も伸びたのである。過去の例年の7月に、こんなに伸びた例はない。
5月から施行された新会社法、大いに活用したらいいと思う。
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事務所コラム H19.11.15
見るのは凡人の目、“視ると観る”が非凡の目
観察するのを「観る」といいます。物事を深く読み込むようにみることです。
視察するのを「視る」といいます。いろんな物事に幅広い関心を寄せてみることです。
「見る」というのは、見えているからみる。心に残りません。「そんなのあったっけ?」という程度のみるです。
昭和29年。まだテレビも家庭にない頃。本田技研(ホンダ)の本田宗一郎社長は、ヨーロッパ旅行から帰国。空港で出迎えの幹部に言いました。手のヒラに乗せた小さなネジを見せながら、「みやげはこれだけだ」と。
そのネジのヘッドには、十文字のプラスの溝が刻まれていました。いまは当り前のプラスネジです。
このネジのお陰で、自動締結機で一瞬にして、カーッとネジ締めができるようになりました。生産革命です。
本田さんが、視たり観たりしながら持ち帰った宝でした。ところであなたの目は、視る?観る?それとも?
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事務所コラム H19.10.18
会社の業績回復と、社長交代の因果関係は?
◆発想の転換には、習慣の転換が先行すべし
トップ交替で業績が回復するのはなぜか。それは簡単だ。“発想や判断”が変わるからだ。
ところが中小企業は、株式公開の大企業が大衆の会社(パブリック・カンパニー)であるのに対して、会社はおれのものだ(マイ・カンパニー)という、資本と経営の一心同体企業だから、ここに問題がある。
ということは外部の者が見て、「この会社は、ここが問題だ」と、客観的にメスを入れるべき死角を把握しても、「当事者でない人間が何を言うか」といって、経営者は耳を貸さない例が多い。
「その戦略は危ない。こうしたほうがいいのに・・」と助言しても、経営者は、「いやそうじゃない、おれの考えがいちばんなんだ」といって、行く手に地獄が待つ方向に突き進む。
こういう問題は、中小企業には昔もいまも、わんさとある。
では、業績が停滞した中小企業の場合、どうすれば業績の回復が可能なのか。
いうまでもなく経営者自身が、「過去と訣別し、発想と判断基準を変えること」にほかならない。
ところが、これがなかなかむずかしい。
発想の転換に成功した人には、まず習慣の転換に挑んだ人が多い。
経営者の発想転換に役立つ習慣の転換を、先人の例から紹介しよう。
@マイカー通勤を週2電車通勤にした。
A従業員の家庭訪問を始めた。
B幹部会議に、男女の一般社員を交替で参加させるようにした。
C外部に依頼して、社員の勤務意識調査をした。(「あなたは、今後も末長く会社で働きたいと思いますか?」というような質問をする)
D異業種に人脈を求めるため、セミナーに参加するようになった。
E初めてミュージカルを見にいった。
F毎週1回を自転車で通勤するようにした。
G社内に、“社長への直通ボックス”を配置し社員の直訴を受けるようにした。
H課長以上の幹部を毎月、2名自宅に呼び夕食を共にするようにした。
I出張先では、その地方の新聞を読むようにした。(いままでは読み馴れた新聞に固定していた)
【例】ある社長は毎週1,2回を、マイカーをやめ電車通勤に切り替えた。
ところがある日車内で、サラリーマンたちの雑談を耳にした。
「“午後の紅茶”という商品ね、あれは女子社員が思いついたんだ。その新商品を、最初ダメだといった上司は、これがヒットしてから、大いに自分を反省したというんだ・・」
自分自身にも、“女の子が・・”という多少侮りの意識があり、有能だと思っていても、女性を部課長にすることをためらっていた。が、それから数ヵ月後に、この会社にも一人目の女性課長が誕生した。
金属加工業のこの会社でも、女性たちの提案で、台所用品の新商品が生まれ、しかも採算商品として会社の業績に寄与するまでになった。それ以上に会社の活気が、以前とは比較にならないくらい、生き生きしてきた。
社長がもし電車通勤をしなかったら・・・。
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事務所コラム H19.9.18
上場経営には“明”あれば“暗”もある
◆「上場やめます」という会社も出現
神戸のワールドという会社は、女性用服飾品のアパレル卸(縫製メーカー)です。
この会社は、「当社は上場を取り止めます」といって、自社株を買い戻すことを決めたそうです。
もちろん、「上場経営より、非上場経営がいい」という判断が働いたからでしょう。
上場経営には、株式を公開することで、広く資金調達がしやすいとか、金融機関が経営者に個人保証を求めずして融資するとか、い い 面があるでしょう。
さらに、「上場会社」というステイタスも、特に経営者には魅力的らしい。
しかし何事にも、日の当たる面もあれば、日陰の部分もあります。企業買収(乗っ取り・マネーゲーム)のターゲットになるのも、上場企 業だからです。
◆一兆円企業でも上場しないという哲学
ある大手ゼネコンにT社があります。04年の年商はほぼ一兆円です。しかしこの会社は、昔からずっと上場していません。非上場会社なのです。なぜなのでしょうか。
品質経営という方針を徹底するためには、株価の上下に一喜一憂していては、平常心の邪魔になります。
この会社の人事管理も独特で、労働組合がないかわりに社員組合があります。労働組合を作られる前に、会社が積極的に動き、社員組合を作ったのです。
勉強不足の人のなかには、上場会社が非上場会社より格が上(従業員も質がいい)という驚くべき浅薄な認識の人がいますが、そんなことはありません。
◆時流も上場感覚も変わった
「会社を上場しました」といって、心躍るような挨拶状をいただくことがありますが、この事実を裏返せば、「いつマネーゲームの対象になっても、おかしくない会社になりました」という意味でもあります。
冒頭に紹介したワールドと同様、自社株を買い取り非上場になる、MBO(マネジメント・バイアウト)を志向する会社はもっと増えるかも?上場環境も変わりましたね
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事務所コラム H19.8.14
原価を押し上げる原因は、人の動きにある
ある銀行主催のセミナー会場でのこと。「コスト管理」の講座をしばらくのぞいてみた。
しかし、こんな講座をまじめに受講するようじゃ、コスト管理の実効を手中にはできないと思った。
その理由は、午前の講座が終わるや、講師も受講者も一斉に、昼食をとりに食堂に出かけたが、皆が出かけたあとは、消灯もしない照明が、こうこうと無人の教室を照らしていたからだ。
「わたしが講師なら、“原価管理は身の回りから、照明を切ってから・・”と指導する」と。
身近な照明を無駄に全開したままで、コスト管理を論ずるのは、ナンセンスもはなはだしい。
コスト(原価)を、数字だけでとらえるのは、生きたコスト管理にはならない。
コストやムダの多くは、人間の行動から生まれるものである。だから、人の動きにコスト管理を求めない考え方は、現実的な管理とは距離が生じる。
一例をあげれば、出社早々グズグズする人や、タクシーを降りるときになって財布を出すくせのある人や、車を運転して曲がる場所に差しかかってからシグナルを倒す人は、計画性に欠ける人である。
こういう人の動きにはムダが多く、ハイコスト&ロープロフィット(高い原価で低い生産性)な働きしかできない人である。役所の多くには、こんな人間がゴロゴロして、働くというより動いている感じがする。
下表には、原価を押し上げ、仕事効率を落とす、主要な原因を紹介した。
「だったらどうしたらいいか?」には、ここで触れていない。各社で知恵をひねって欲しい。
原価を押し上げ、仕事効率を落とす元凶
@朝の職場がグズグズしているほど・・・・・→ 原価(UP) 効率(DOWN)
A仕事のやり直しが多いほど・・・・・・・・・・・→ 〃 〃
B苦情の多い仕事が増えるほど ・・・・・・・・→ 〃 〃
C客のホンネを知らない職場ほど ・・・・・・・→ 〃 〃
Dよぶんな手間をかける仕事ほど ・・・・・・・→ 〃 〃
E仕事の手順が場当たり的なほど ・・・・・・→ 〃 〃
F営業マンの巡回経路がヘタなほど・・・・・→ 〃 〃
G仕入れ価格が高いほど ・・・・・・・・・・・・・→ 〃 〃
H会議が多い会社ほど ・・・・・・・・・・・・・・・→ 〃 〃
I不良率が高いほど ・・・・・・・・・・・・・・・・・→ 〃 〃
J固定費が多いほど ・・・・・・・・・・・・・・・・・→ 〃 〃
K管理者の能力が低いほど ・・・・・・・・・・・→ 〃 〃
L部下のミスを是正しないほど ・・・・・・・・・→ 〃 〃
M右脳的な柔軟発想に欠けるほど ・・・・・・→ 〃 〃
N新しい仕入れ先を開拓しないほど ・・・・・→ 〃 〃
O新しい得意先を開拓しないほど ・・・・・・・→ 〃 〃
P新製品を開発(導入)しないほど ・・・・・・→ 〃 〃
Q社長の心が浸透しないほど ・・・・・・・・・→ 〃 〃
R「原価意識」が不徹底なほど ・・・・・・・・→ 〃 〃
S五年先の変化を考えないほど ・・・・・・・・→ 〃 〃
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事務所コラム H19.7.17
「小倉昌男の経営学」
小倉昌男さん、いうまでもなく“宅急便”を生み出した、ヤマト運輸の元経営トップです。
小倉さんは、宅急便を完全に成功軌道に乗せたあと平成七年に会長を辞任するや、今度は私財を投じてヤマト福祉財団を立ち上げ、社会貢献に身命を賭けた人でもあります。
この小倉さんが、のちにお書きになった「経営はロマンだ」(日経新聞の「私の履歴書」の文庫版)のまえがきに、こう書いていらっしゃる。
「目的を決める。目標を掲げる。実現するための方法を考える。経営とは考えることである。
でも考えてもわからないことがある。そのときはやってみることである。やってみればわかることが多い。こうやって試行錯誤しながらすすむ。
経営はロマンである。だから経営は楽しい。目標を決め方法を考え実行する。この間の緊張は堪らない」
短文ながら、一字一字がずっしりと重い。
たとえば一般家庭対象の市場調査というと、大手広告代理店や調査専門会社を使うところが多いなか、小倉さんは、自分で考え自分で采配し調べています。
「これはおかしい?」と思うことには、闘いも挑みました。この優しい人情厚い小倉さんが、「規制行政が、すでに時代遅れになっていることすら認識できない運輸省(当時)の役人の頭の悪さには、あきれるばかりであった」とも書いている。
「私は大阪を訪れた時に、大手ライバルの支店をこっそり覗いてみた」
これぞ、小倉さんの市場調査の一環です。
(小倉さんは平成17年6月、80歳で逝去。合掌)
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事務所コラム H19.6.18
“顧客の苦情”の受け止め方
大阪に本社を構えるK社(社員数約800名)は、照明器具を主力製品とする大手メーカーです。
この会社の営業マンが、毎日書く営業日報には、顧客からの苦情欄があり、この部分はミシン線で囲まれ、切り離すことができるようになっています。じつはこの部分には、社長の方針が息づいているのです。
「ほかの事項は各部門長が見ればいい。しかし顧客の苦情だけは、社長まで報告をあげなさい」という社長の考え方が、日報の書式に反映されているのです。
しかも、「きょうの苦情は、きょう報告すること」という即時性が実行されています。
顧客からの苦情は、製品の改良や売り方の改善に関して、貴重なヒントが得られることは常識ともいえます。
ところで御社の場合、得意先や顧客の苦情、どうやって受け止めていますか。
M鉛筆という会社の場合、一本のボールペンが不良品で返品されても、速達で対応しています。だから苦情を抱いた客が、その後の長きにわたり、さらにM鉛筆製品のファンになるのです。
だから苦情に関しては、「災い転じて福となす」という考え方をするのも、会社の常識といえますぞ!
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事務所コラム H19.5.15
“バッドニュース”に気配り
アサヒビール飛翔の起爆剤になった製品は、「スーパードライ」ということは、多くの消費者も知っています。
当時の経営トップは、銀行経営者から転じた樋口広太郎さん(現在、名誉会長)でした。
この樋口さんはしばしば、「バッドニュースが、経営トップの耳に入らなくなったら、経営は必ず傾く」ということを語る人でした。大勢の経営者を前にすると、必ずといっていいくらい強く訴えた人でした。
バッドニュース。言うまでもありません。経営に悪影響をもたらす情報のことです。
古典に類しますが、ナポレオンの話です。ある深夜最前線から、伝令が早馬で報告に来た、ということです。
その報告内容は、わが軍は連戦連勝で進撃中という、じつに耳障りのいい内容だったそうです。
ところがナポレオンは、伝令に強くいい含めて、前線司令官のもとに帰したそうです。
「良い報告はゆっくりでいい。悪い報告こそ、深夜といえども時機を失せず報告せい」
ところで保険会社の、保険金不当不払に関する新聞記事は、途絶えることなく掲載され続けています。
最近のある新聞の大見出しは、「社長直通へ体制改革中」というもので、読者に迫っていました。
何のことはない。顧客から山ほどの苦情が寄せられていたにかかわらず、社長には一件の苦情さえも届いてはいなかった、という記事です。(届いていたら、顧客苦情にそって解決していたかは不明だが?)
保険会社の社長にも、アサヒビールの樋口さんや、ナポレオンのような考え方(危機管理意識)があったなら、顧客からの苦情は必ず報告せよというトップの意志を、全社員に浸透させていたはずです。
つまり、保険会社の社長には、そういう意識は完全に欠落していたということでしょう。
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事務所コラム H19.4.10
朝一番の仕事を決めて、出社していますか?
一年の計は元旦にあり、そして、一日の計は朝にある・・・と言われる。
さて、頭の中に描く計画なしに出勤した人の中には、「きょう、真っ先に着手する仕事は何か」を決めないままにやって来る人が多い。そして、そういう人に限って、なんとか朝の行動をごまかしてはいるが、朝一番に手をつける仕事が定まらず、ウロウロしている人が多い。
最初に着手する仕事、つまり、ファースト・ワーク(FW)が決まっていないからだ。
特にその日が休み明けの場合は、休日の直前に、「休み明け(来週)は、何をやるか」という行動計画も漠然としたままと、相場は決まっている。
こういう人の動きには、とてもムダが多いものだ。
たとえば営業マンに例をとると、朝一番の訪問先が決まっていないのは、単に朝一番の仕事に限らず、行動全体の計画性がいい加減な傾向が強い。
それに比べ、FWがしっかり決まっている人は、二番目以降にやる仕事も決めているものだ。だから、朝から動きにムダがない。アイドルタイム(生産性に結びつかない時間)がないのだ。
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事務所コラム H19.3.16
真っ向対立した人間を、つぎの社長にした本田式人事
本田技研工業(ホンダ)の創業者本田宗一郎さん(故人)は、くり返し従業員に語っていたものだ。
「会社のタメに働こうなんて考えるな。人間みな自分がいちばん大事なはず。ならば、自分の夢を実現する手段として働けばいい。会社のために働こうなんて、そう格好つけるな・・」
たとえば、「本田さんが空冷エンジンだ」と号令かけたとき、開発部門で仕事をしていた久米是志(ただし)さんは、「もう空冷では、市場競争は勝てません」と、真っ向から反対したことは、大物同士のケンカとして有名だ。
伝え聞くところによれば、一週間ほど久米さんは、出社を拒否したという。
やがてホンダは、水冷エンジンに切り替えるのだが、このボス同士のケンカから数年後、93年になると久米社長を社長にしたのだ。本田宗一郎さんらしく、瞬間湯沸かし器のように、すぐ爆発もしたが、心の切り替えも達人だった。
「自分のために働け」と言い続けた本田さんだが、ホンダには、立派に会社に尽くす、本田宗一郎の遺伝子が生き続け、優秀な幹部が続々と育ったことは、その後のホンダの業績を見れば、説明を要すまい。
社長に尽くす幹部を育てたT信販は破綻し、会社に尽くす幹部を育てたホンダは繁栄を続ける。
皮肉にも対照的な結果だが、世の中には、ややもすると“社長に尽くす人材”を育てようとして、その実、“社長に尽くす塵材”を育ててしまうトップもいらっしゃる。
不滅の組織を育てるには、やはり、組織に尽くす幹部が欠かせない。
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事務所コラム H19.2.28 業界一強い会社に育てた、田鍋式モチベーションとは?
積水ハウスという会社は、もともと、積水化学工業鰍フハウス事業部を母体として昭和三五年に、積水ハウス産業鰍ェ創立され、さらに三年後の昭和三八年に、田鍋健さん(故人)が社長に就任すると同時に社名を、現在の積水ハウス鰍ノ変更したものである。田鍋健さんが、積水ハウス鰍フ実質的な創業社長なのだ。
この田鍋さんという経営者を、凝縮して表現すれば、“人を生かす経営者”と言えそうだ。
ある日。その年の新入社員たちが、現場に配属された頃を見計らっての某日。
田鍋社長は、仙台の現場視察に出かけた。オフィスに足を踏み入れるや、社内いた二人の新入社員に近付いた。「どうだ、仕事にはだいぶ慣れたか?きみはたしか、岸和田から入った鈴木くんだったな・・」そう呼ばれた鈴木はびっくりする。と同時に、自分の全人格を百%以上に認知された思いで感動すらした。〔入社式のとき、遠くの演壇の上に見たあの社長が、おれの出身地やなまえまで覚えていたとは・・!〕
もう一人の佐藤という社員には、こういって声をかけた。佐藤もまた感動し、積水に入った喜びを噛みしめた。「きみは鈴木くんと違って、東京の立教大を出た佐藤くんだったかな。どうだ、元気でやっとるか・・」 二人とも、数百名の新入社員の一人として、雲の上の人かと思っていた田鍋社長が、自分たちの出身地や出身学校まで覚えていたことに、身震いするほど感動し、いい会社に入ったものと思ったものだ。
しかしこれは、すべて田鍋社長の、繊細な計画に基づく、モチベーショナル・アクションだったのだ。
田鍋さんが積水ハウスの社長になったとき、積水ハウスは赤字だった。田鍋さんは語っていたものだ。「幹部たちの顔にすら、“あと二年も辛抱すれば、本社に戻れる”という文字が見えました。だから私は、化学工業と決別した会社にし、骨はこの会社に埋める覚悟で働け、という決意を示したのです」
加えていま紹介したような、繊細なモチベーショナル・アクションで、社員の意欲を高め、ついに販売力で業界一と呼ばれる、強靭な会社づくりに成功したのである。
ちなみに積水ハウスでは、“我が社は住宅産業”に属しているとは言わない。“我が社はサービス業だ”という。顧客第一主義を徹底する、精神的な支柱にする経営スタンスなのだ。
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