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R2.6.15 原価をどう捉えたらいいのか |
●原価はこのように考えよう 原価が低ければ低いほど、利益は確実に手にすることができる。では原価はどう捉えたらいいのだろうか。それでは原価が上昇する原因を考えて見よう。 1、時間がかかる仕事ほど原価は上昇。 2、人が増えるほど原価は上昇。 3、やり直しの多い仕事ほど原価は上昇。 4、距離が長くなればなるほど原価は上昇。 5、仕入れが高くなるほど原価は上昇。 6、手遅れの仕事が多いほど原価は上昇。 7、時間外の仕事が多いほど原価は上昇。 8、販売に時間がかかるほど原価は上昇。 9、水や電気(水道光熱費)を多く使うほど原価は上昇。 10、仕事の手間が増えるほど原価は上昇。 ........................................................... こうして仕事を分解して考えると、原価の落とし方がわかる。 例を示し、考えてみよう。 ある商品出荷作業場のことである。広い板の間が広がっている。ところが出荷関係者に頻繁に電話がかかってくる。出荷事務所は作業場から離れているので、「佐藤さ〜ん、電話」と呼ばれると、「は〜い、ただいま」と言いつつ小走りに走って行くことになる。 この現場の様子をじっと見ていた場長が、作業場の中央にある柱に着目した。 そして、出荷作業場の呼び出し電話を柱に取りつけた。 それ以来、「佐藤さ〜ん、電話」も、「は〜い、ただいま」という会話も、現場から消えた。 つまり、遠い距離を往復して駆け回る姿は消えた。 そのぶん出荷作業は効率が上がった。つまり原価が低減した。 ............................................................ ●旅館も距離が生命線 もう一つ例を示す。旅館のことである。 その旅館は、離れの間が多く、料理を運ぶのも大変な労働である。 しかしこれに注目する者はいない。それでいて利益は少ない。(原価が高い) そこで経営者は、調理場の移設を実行した。 するとどうだろう、今までは、「熱い汁物」も長い距離を運ぶので、すっかり冷え切ってしまっていた。冷たい物は生温かくなっていた。これが「熱い物は熱いうちに」、「冷たい物は冷たいうちに」、召し上がってもらうことが可能になった。従業員の人数も減り、客も満足である。 こうやって、旅館は倒産の危機を回避できた。 しかし当事者になると、「なぜこんなことに気付かないんだろう」ということが多過ぎる。 理由は、「全員が作業に夢中になっている」からで、じっと現場を見ている人がいなかった。 管理者・経営者の仕事とは、汗を流すことではなく、知恵を出すことである。
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