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Column |
H29.3.15 昔のゴマすりは、冷たいすり鉢相手のつらい作業 |
昔の日本の家屋は、台所は必ず北側にあったものだ。 朝から陽の当たる東側にはなかった。なぜなのか。 冷蔵庫なるものがなかったからだ。食料を置いておくのには、陽当たりのよくない北側が格好の場所だったのだ。 だからゴマすりをしたくとも、冷たいすり鉢を両手で囲み、かじかむ手先でゴマをするのは、難儀な作業の一つだった。 何しろゴマをする台所は、冬の北側の部屋だったのだから。 そこに威勢のいい行商の魚屋。サービス精神も旺盛だ。 冷たいすり鉢のゴマすりならオイラの出番、となる。 「すり鉢は冷てえよ。ゴマをする?そんなら貸しておくんなせえ。ゴマをするんなら、節くれだったこの腕がモノを言うんだ。どれどれ、こうやって擦ればいいんでしょう。それこのとおり・・」 ゴマは、女手では無理なくらい細かくすれている。 「ああ、ありがとう。お陰で助かったワ。では、いわしではなく鯛でももらおうか・・」 というわけで、時代には時代の逸話が登場するもの。
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